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K A M O M A I L

ネコに煮干しをあげてください。

朗読のちから

見物 キョート

ずっとずっとストレスで懸案事項だったことが片づいた。片づいたあと、あー、ようやくおわったんだなー、と思った。
特に今年の前半はわけあってイライラすごしていて、メールのやりとりや手帳の走り書きをふりかえると、どうしてそんなに逆毛をたててるの?(野良猫?)と自分で自分をぎゅっと抱きしめたいほど。

ふー・・・と、とめていた息をはいたところで、朗読をききに行きました。

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翻訳家・柴田元幸さんの朗読会。雑誌『MONKEY Vol.7 古典復活』の出版記念イベントです。

『MONKEY』は柴田さんが責任編集をしている文芸雑誌。その前身の『モンキービジネス』の時代から毎号欠かさずせっせと買っているかもべえ。翻訳自体もよいのだけれど、柴田さんのエッセイから垣間見える視線や語り口が好きなのです。

MONKEY Vol.7 ◆ 古典復活

MONKEY Vol.7 ◆ 古典復活

 

今回は、ナサニエル・ホーソーン、ウィリアム・サローヤン、マーク・トゥエイン、メルヴィル、エドガー・アラン・ポー・・・の翻訳作品を mama!milk のアコーディオン、コントラバスの音色にのせて。
照らされた舞台の白さと客席のコントラスト。ノスタルジックなアコーディオンの響きが古典作品とぴったりで、あやしげであたたかな語りの空間でした。

朗読って・・・というほど朗読を聴いたこともないのだけど・・・耳で聞いた音から頭の中で物語風景を再構築するから、朗読元の本のことばのちからが強く影響する気がする。すぎさった一文一文ごと、今発せられた一段落ごとが反響しあう。
なかでも、ポーの『赤死病の仮面』、よかった。

柴田さんは翻訳するとき、「リズム感を大切にしている」「ミズスマシがすっすっと流れていく感じ」「漢字とひらがなの使い方に気をつけて」「目がよろこんでついていくような感じ」を心がけているそう。「訳すときには、作家のボイスを考える」「声に出して読むときには、自分がのめり込んで、没入するように読む」ともおっしゃっていて、あー・・・翻訳・朗読もある種の再現芸術なのね・・・とあたりまえのことだけども、ぼんやりと。

東国にいたときは、ひとりぐらしをしていたのもあってヒマの間に間に、こうしたトークショーや朗読会に足を運んでいたもの。こういうのに身をひたしてのんびりすごすのも、いいもんやね。
やさぐれた野良猫の毛並みもツヤツヤになりました。

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会場の本屋さんでは、毎度のことながらぶつよくを刺激され、ゴーリー挿絵のエリオット作『キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科』をゲット。(柴田さんはエドワード・ゴーリーの絵本も翻訳されています。これは柴田さん訳ではないけれど。)
この本をながめながら、毛布にくるまって、秋の夜長にミュージカル『キャッツ』でも聴こう。

キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科

キャッツ ポッサムおじさんの実用猫百科

  • 作者: T.S.エリオット,E.ゴーリー,Thomas Stearns Eliot,Edward Gorey,小山太一
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2015/09/17
  • メディア: 単行本
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